« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006/11/30

RC梁の曲げ試験

Rcbeam材料実験は鉄筋コンクリートのテストピースや梁を造ることから始まる。
数名のグループでコンクリートを練り、型枠に流しいれ・・・
その後約4週間ほど経過した後、それぞれのグループごとに自ら造ったテストピースを破壊する実験を行う。
前回は圧縮試験を、今日は建築学科1年生のあるグループで、RC梁の曲げ試験が行われていた。

鉄筋とコンクリートそれぞれの材料特性、またそれらが合体した鉄筋コンクリート構造の構造的特徴の講義が行われた後に、いよいよ曲げ試験。学生たち数名が、自分たちで造ったRC梁を載荷台の上にセットする。
前回の圧縮試験ではテストピースは圧壊(圧縮応力で破壊)した。
しかし今回の曲げ試験では、せん断力や曲げモーメントという応力により破壊する。

荷重を増加させていく・・・ある時に細かなヒビが入り、その後急にヒビが大きくなる感じだった。大きく斜めに入ったヒビ割れが目立つ。今回はせん断破壊が特徴的に出たようだ。荷重を戻すと、ヒビ割れは少し閉じる。鉄筋が入っている故のRC梁の粘りだ。もしコンクリートだけの無筋であれば粘ることはおろか、もろくも真っ二つに梁は折れているだろう。
荷重を加えるに従って、梁がどの程度変形しているかも同時に測定している。
計測器に表示されたそれら数値をグラフ化したり、ヒビ割れた梁の外観をスケッチしたり。実験後のデータはしっかり整理する。Woodwall
それらの作業によって、材料学や構造力学で出てくるヤング係数という数値の意味も理解できただろうか?

ふと横を見ると、木造の壁が置いてあった。
筋交い入りで金物で補強されているもの、されていないもの。構造用合板が張りつけられているものなど、数種類の木造耐力壁だ。その隣には、さらに3種類の継手もたくさん用意されている・・・
担当の教員に聞くと、建築技能学科の学生達に造ってもらったものらしく、後日、載荷試験を行うらしい。
こんなにきっちり継手が造れるとは、技能学科の学生たちもなかなかやるなぁ。
この実験も楽しみにして おこう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/28

1年生の製図実習、矩計図

1年生の製図実習の教室を覗いてみると、只今「2階建て木造住宅の矩計図」。
2級建築士の実技試験にも要求される図面の1つで、”かなばかりず”と読む。
大学あたりでは矩計図の製図実習はしていないところが多い。しかし我が建築専門学校ではしっかりと時間をかけて行う。

Kanabakari住宅設計で著名な今はなき建築家、宮脇壇氏曰く、
『矩計の悪い家は悪い家。
矩計は、家全体のプロポーションを決定し、
家全体の構築を示し、
家全体の空間の連続性を示し、
家全体の仕上げを示す図面である。』
それほど重要な図面なので、矩計図はスタッフに書かせずに宮脇氏自らが描くようにしておられたらしい。

使用する構造部材の寸法を知り、ディテールシートを見て各部の仕上げを描き込んでいく。木造住宅の成り立ち、しくみを理解していないとなかなか描けない。一般構造や材料学など、製図をする際には全てが1つにつながってくるのだ。
いったい自分は今何を描き表しているのか、それをしっかり知りつつ練習していこう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/27

建築専門学生のコンペ受賞

Uehara 先般、夜間部の建築専門学生がコンペに入賞した記事を書いたが、昼間部の学生もコンペに入賞していた!

建築学科2年生のU原君が、松本空間工房が実施したインテリアプランコンテストの優秀賞(賞金3万円)に選ばれた。
”理想のマンション空間を描こう”をテーマに、単なるアイデアコン1109ペではなく実現可能なコンテストとして実施されたようだ。
(←建通新聞11/9の記事)

建築専門学校の2年生といえば、通常課題の上に卒業製作にも取り組んでいるという大変忙しい時なのだが、このコンペは7月スタートだったということでギリギリの隙間時間でやり遂げたんだろうと思う。

しんどい時でも楽しいと思えるからできる、この思いがエネルギーの元なんだろうな。

結果発表HP
http://www.matsumoto-kuukankoubou.co.jp/contest.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/25

CADの体験に思う

今日は、建築専門学校の体験入学。体験メニューは「CADで建築図面に挑戦!」
その内容は、1時間と少しの時間でCADを使い、ワンルームマンションの基準階平面図を描いてもらう模擬授業だ。
たぶん経験の無い人が同じ図面を鉛筆を持ち紙の上に手で描けば、3時間程度かかるのではないだろうか。図面は元来時間のかかるもので、製図の習得にはもっと時間がかかるものだ。
しかしCADを使えばかなりスピーディに描くことができるし、図面の修正も楽だ。
もちろん初心者向けにそれなりにネタが仕込んである体験授業ではあるが、それでも実質1時間以内で4住戸の平面図が描けるのだからスゴイ。

しかし数年前は、同じようなCAD体験授業で2時間程度の時間をかけていた。
CAD実習に入るまでに、マウスの使い方やクリックなどPC用語の意味から説明を始めなければならなかったからだ。
現在は、高校でもPCの授業があったり、家族の誰かがPCを使っていたり、自分のPCを持っていたり、家でPCに触れる環境にある人も増えた。そのため、PCの基本的な使い方はたいていの体験参加者が既に身につけている。
この先、PCはもっと日常的な道具になり、誰もが使えるものになっていくのだろう。

そこで重要になっていくのが、よりベーシックな部分だろう。
例えば今日のCADの体験授業では「壁の厚みをいくらにして」「柱の大きさをこれくらいにして」と指示の上で描いてもらっている。しかし何故その厚みで描くのか?柱の大きさの根拠は?どうしてこういう設計にしたの?、といったような建築の基本的な知識がより重要なのだ。
誰もが道具を使いこなせるようになれば、その差は人間性や常識・知識などソフト面で出てくるということだ。建築専門学生諸君、あるいはこれから建築を学んでいこうと考えている人たち、このソフト面をしっかり鍛えてもらいたいと願います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/11/20

材料の強度を知る講義

ちょっと時間があったので、1年生の材料実験を見学させてもらった。
4週間ほど前の授業で、学生たちが小グループに別れて水とセメント、砂、砕石を混ぜ合わせてコンクリートを練り、それを直径10cm、高さ20cmの円柱形の型枠に打って、いくつかのテストピ-スを作製していた。
いよいよ今日はそのコンクリートの強度実験だ。

アムスラーという実験機械を使って荷重を加えていくと、ある時突然試験体にヒビが入り破壊する!同時に引張った時の強さ、圧縮した時の強さ、ひずみ等を測定する。
また、調合の異なったコンクリート試験体でも実験を行い、その強度の差を実感したり・・・。
T_concもちろん実験のあとは、コンクリートの性質を数値やグラフにして、構造設計や材料学との関係を知ったりする。

数日後には鉄筋コンクリート梁の曲げ強度実験も行うようで、こちらも楽しみだ。

造ったものをわざわざ壊すなんて、なかなか社会で経験することはない。
学生諸君、よーく目に焼き付けたかな?!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/18

夜間部の建築学生、入賞!

Sammy 我が校の建築学科の、夜間部の学生がコンペ(=設計競技)に入賞した。

第1回サミー創造空間コンテスト」の学生部門で最優秀のグランプリ受賞、賞金はなんと100万円!
夜間部の先生に聞いたところ、このコンペの案内や紹介をしたわけでなく、本人が自分で見つけて来て応募したとのこと。本人もまさか入賞するとは思っていなかったらしく、夜間部のクラスでちょっとした話題になっているようだ。

コンペ結果によれば、国内外から総計184点の応募。応募数としてはそんなに多くないわりに、入賞者の数が多い=賞金が多い、つまり応募する側から見れば効率の良いコンペだったようだ。

ちょっと辺りを見渡すといろんなところにチャンスが転がっているということ。
パチンコをしている時でも、ボーっと遊んでるんじゃなく、少し周りを観察すればこんなコンペが実施されることに気がついたりするわけだ。
アンテナの張り様、如何に良く見ているか、自分の興味の幅、その差がそのままチャンスの差になるということ。

夜間部の彼にとって、今回の入選したという経験は1つの大きな財産になったことだろう。おめでとう!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/17

出江寛先生の特別講義

午後から関西の建築家、出江 寛氏の特別講義が我が校で開催された。
我が校の名誉校長であり、入学式や卒業式でも学生たちの前で「モノづくり」についてのお話をしていただいている。

今日の特別講義では、スライドを使用し、学生たちに分かり易く自身の建築作品のコンセプトなど解説をしていただけた。2回のシリーズなので、次回も引続きモノづくり、建築設計、デザインなど、幅広く話をしていただけることだろう。

建築の知識を詰込むだけでなく、見学に行ったり、今回のような著名な建築家の講演を聞くことも自分の肥しになる。2年生は卒業製作で忙しいためか、1年生や夜間部の学生が多く参加していたようだ。
出江氏の建築を写真や図面、書物で見たことはあっても、直にその話を聞ける機会などそうそう無いこと。参加した学生たちには、きっと刺激になったことだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/16

設計課題の提出

S1111  我が校は設計と製図をそれぞれ別の実習科目としている。

建築学科1年生。5名前後の学生で1つのチームとし、皆でアイデアを出し合い、共に作業を行っていた設計課題がようやく最終プレゼンの日を迎えた。
クラスのみんなの前で模型やプレゼンボードを示しながら自分たS1112ちの作品を発表するのだ。
前もって周到に発表準備の出来たチーム、その場で場当り的な発表となってしまったチームなどさまざまだったが無事に終了。

数名でチームを作れば、その中には必ず意見のぶつかる奴もいるし、相性の悪い奴もいる。頑張って作業に取り組む者もいれば、サボる者もいる。
そんな中でいかに意見をまとめて1つの作品に仕上ていくのか・・・
チームによってはかなり苦労していたようだが、社会に出ればどんな人間と一緒に仕事をするかわからない。多くの人との関わりの中で仕事をするのだから、好き嫌いなど言っていられない。この課題を通して、多くの人と関わる設計作業の一端を感じられたのではないだろうか。S1113

ちなみにこの課題は「都市のナイススペース」。
タイトルのまんま、都市にナイスなスペースを考えて下さいというもの。場所の設定や調査から設計コンセプトまで全て考えてもらっています。担当教員との打合せのたびに、何度もいじめられたのではないだろうか。
「なぜその場所なの?、どんなナイスなスペースなの?、こう考えることもできるじゃない?・・・」

1年生の設計課題では、法規や実現可能かどうかなどは気にせずに、斬新な発想を期待しているのです。次はまた個人個人で取り組む課題、面白いアイデアや提案をよろしく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/05

京都府庁旧本館 秋の一般公開

0611041 「京都府庁旧本館 秋の一般公開」(11月1~5日)に行ってきた。京都府庁のすぐ近くの京都御所も「秋季一般公開」を開催中で、烏丸通りや地下鉄丸太町駅周辺は人と車が混雑していた。

京都府庁旧本館は、現役の都道府県庁0611042舎としては最も古いもので、重要文化財に指定されている。
設計の中心となったのは東京帝国大学で西洋建築を中心とする建築学を学んだ京都府技師松室重光で、明治37年12月に竣工している。
全体としてはルネッサンス様式に属し、正面の外観は、車寄せ、3連窓と上部の丸窓、彫刻を施したペジメントとコリント式の角柱型、中央の大きなマンサード屋根等の配置により中心性が強調さ0611043れている。屋根は天然スレートをうろこ状に重ねて葺き、大小のドーマー屋根(屋根窓)をアクセントに付けている。外壁の仕上げはモルタル塗りで、要所を花崗岩で飾っている。

現代の薄っぺらな建築と比べて、やはり重厚。しかし反面、細部の彫刻などディテールの意匠は、現代の建築よりも繊細。近代建築には共通することだが、今ほど材料の種類が豊かでない分、建築家のデザイン能力が長けていたんだろうし、技術者・職人の腕も素晴らしかったんだろうなぁと思う。061104okujyou1_1

府庁第2号館屋上緑化「京てらす」にも行ってみた。
見晴らしも良く、北には五山送り火の「妙」「法」の文字も遠望できる。市内の喧騒から離れ、小高い丘にでも登ったかのような感じでさわやかだったのだが、思ったよりも面積が狭く少し残念だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/03

ヴォーリズの講演会

「風土を愛した建築家 W.M.ヴォーリズの偉大な足跡と精神を語る」という講演会が我が建築専門学校で開かれた。
一粒社ヴォーリズ建築事務所の石若副所長がスライドを使いながら、ヴォーリズの生い立ちから建築作品の紹介まで、非常に分かり易くお話を聞くことができた。

身近なところでは、京都の四条大橋西詰に建つ「東華菜館」や「大丸心斎橋店」など、手がけた建築は生涯で約1600とも2000軒とも言われている建築家。
しかし最初は、明治38年に八幡商業高等学校の英語教師としての来日だったという。そして学校教育やメンソレータムなどの企業活動にも活躍したという凄まじい活躍ぶり。
ヴォーリズの建築そのものは、建築家としての個性的な自己主張や派手さはなく、依頼者に応じた能率的で住み易い設計。

こういった建築家は、派手なデザインやトリッキーなものを好む学生には人気が無いかも知れない。しかし、温かみのある作風は玄人好みのようで、滋賀県の近江八幡市にある「ヴォーリズ記念館」には建築関係の方々も多く見学に訪れておられるとか。

時々、学内に著名な建築家を招いて講演会が行われている。私はいつも仕事と重なってしまい、今回は久しぶりの参加だった。学生たちには、是非こういった講演会に参加して(もちろん無料だし)、今後の糧にして欲しいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/02

配筋図の最終回でした

製図実習、RC造の4階建事務所建築の配筋図が終了した。S4haikin
一般構造の講義でRC造のしくみ、材料学ではコンクリートやその構成材料、鉄筋の種類や性質など学んでいる学生たち。実際にRC造の柱や梁など部材の中はどんな風になっているのか、配筋図を描いてみて理解できたかな。

実際には構造計算を行った結果、部材内部にどれくらい鉄筋が必要なのかがわかる。(因みに姉歯氏はこの必要鉄筋量をごまかした)
その必要鉄筋量から、柱や梁に鉄筋を描き入れたリストが提供される。それを見ながら配筋図を作図する。という手順となるのだが、製図実習では、平面図などの一般図と配筋標準図、柱・梁リストを見ながら配筋図を作図してもらった。

RC造の特に柱と梁の接合部(仕口部)は鉄筋が複雑に交錯している。かなりゴチャゴチャして大変だ。ある学生は「これでコンクリートはちゃんと密実に打てるんでしょうか?」という質問も出た。コンクリートには砕石が含まれるから、鉄筋の間隔が狭いと、もしかしたら鉄筋に引っかかってしまうかもしれない。そうなるとコンクリートがきちんと流し込めなくなってしまうこともある。だから鉄筋同士の最低限の間隔が決められているのです。
施工不良にならないように気をつけないといけない、それに気がついただけでも素晴らしいことです。

RC造の建築図面は、一般図、詳細図、軸組図や配筋図まで1通りの実習を終えました。次回からは鉄骨構造(S造)になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »