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2006/02/28

日曜日の建築士講座

「仕事をしながら2級建築士を取得したい!」という人たちのため、日曜日と木曜の夜に開講される「日曜専科」と呼ばれる資格対策講座がある。我が建築専門学校卒業生へのサービスの意味もあるので、受講費用も2級建築士対策講座の世間相場よりかなり安く押さえている講座だ。
週に1日とはいえ平日の夜、せっかくの休日なのに日曜に学校に出て来なければならない。日頃は仕事に就いている人たちにはかなり厳しいことだろうし、家庭を持つ人には家族の協力も不可欠なことだろうと思う。だが、昨年度は70%の合格率という素晴らしい結果を残すことができた。
今年度もそれ以上の合格率を目指すべく、日曜専科の打合せ会議があった。
建築計画、建築法規、建築施工の講座については、昨年度同様の教員配置。建築構造のみ教員が1部変更となった。学科合格後の製図対策は、1名教員を増員し強化を図ることに。

私は、こういった講座においては過去に出題された問題を徹底的に解き、また、受験術ともいえるコツを教えること、が重要だと思う。どんな資格試験でもそうだが、満点を取る必要はなく、たいていは60~70点程度取れれば合格できる。つまり、例年確実に出題される箇所を確実に点数に結び付けられるようにして、極端に難しい問題や稀にしか出題されないところなど、捨てるところは捨てていくことだ。

普段は、原理原則をキチンと押さえ、建築技術やデザインについて理解、習得してもらうべく建築学科で講義をしているが、この日曜専科のように資格講座の時だけは、私も資格屋に徹することにしています。

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2006/02/22

ママになって再入学!

11時頃、1階事務室のお姉さんから2階教員室の私に内線電話。
「事務所に来てくださいますか?S先生が呼んでおられますので。」
S先生は、1階で再入学希望者の面接中のはず。再入学とは、1度退学したけれど、もう一度入学し直すという制度。再入学手続きは書類審査と面接が必要なのだ。もちろん以前、退学するまでに取得していた単位は学校できちんと保持、管理されている。
さて、面接で何か問題でもあったのかな?と思いつつ1階へ。事務のお姉さんに「こちらのブースです」と案内され、そこにはS先生と・・・!見覚えのある女性が!

願書など手続き書類の広げられたテーブルを挟んで、S先生の向かいに座っていたのは、なんと私が3年ほど前に担任をしていたKさんだった。製図が抜群に上手く、コツコツと勉強に取り組む優秀な学生だった記憶がある。

一気に当時のことを思い出した。
1年生もあと少しで終わる年末あたりだった。頑張り屋の彼女、進級も目前の時期に突然、『退学したいんですけど』という相談を受け、私はかなり驚いた。まさに”青天の霹靂”というやつだった。話を聞くと、やはりどうしようもないやむを得ぬ理由のため、退学も仕方なかったのだが、本人曰く『落ち着いたら、必ずもう一度この学校で建築の勉強の続きをしたい!』という。
今は無理だけど、将来必ず建築の勉強の続きをして建築士の資格も取得したい、という強い思いを彼女は持っていたのだ。私は、取得単位の保管年限や再入学手続きなど学校の事務室で聞いて、本人に伝えた。恥ずかしながら、私もその時初めて再入学や単位保管などのシステムについて知ったのだ。
そして彼女は1年間の学生生活を終え、2年生になることはなく退学していった。

そのKさん、その後結婚し、姓がYさんに変わって今日、再入学の面接に来ていたのだ。S先生、私が彼女の担任だったことを知り、この場に呼んでくれたわけだ。
退学から3年、久しぶりに見た顔は昔のままだが、やはりどこか大人びた落ち着いた雰囲気。既に子供も生まれ1歳ちょっとらしい。家庭を持ち、小さな子供がいて、建築専門学生をするのは大丈夫かな?と心配したが、
聞くと、退学後もずっと建築を学びたいという気持ちを持ち続けていたようで、ご主人にも専門学校で学業の続きを修めることに快く承諾してもらえたし、子供は保育園に預ける段取りもできたとのこと。思い続けていたことを実現するため、着々と準備していたんだろうなぁ。

彼女が退学する時『必ずもう一度この学校で建築の勉強の続きをしたい!』と言ってくれたこと、そして3年後の今日、再入学手続きに来てくれたこと、今日はとても嬉しい日になった。

彼女は3年前に1年生は修了、十分な単位を取得済みなので、再入学後は2年生からスタート。22歳のママさんなので、リカレントクラス(大卒や社会人経験者のクラス)でいこう!
知ってのとおり課題も多いし大変だと思うけど、春から1年間頑張ろう。
2年と少しのブランクがあるから、まずは春休みの宿題で製図のウォーミングアップから始めましょうか。

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2006/02/21

「遊学探求」を見ながら

t_P2210051最近は新年度に向けての準備作業が続いている。カリキュラムや時間割の検討、CADのバージョンアップ作業などのPC教室のメンテナンス・・・なにかと面倒な作業の毎日だ。しかし今は春休み、講義が無い分、気持ちに余裕があったりする。t_P2210043

今日は風呂から出て、酎ハイを飲みながらオリンピックのダイジェストを見て、その後「遊学探求」という小さな建築見学ガイドブックをパラパラと眺めていた。
名刺サイズくらいの大きさの冊子で、大阪の建築を新旧織り交ぜ、写真とコメント、裏面に地図で場所が紹介されている。
t_P2210045この中のたいていの建築は見に行った事があるのだが、中には行ったことの無いものもある。試験も済み、成績 も付け、少し余裕のあるとき、地図やこんなガイドブックを見ているとフツフツと遊び心が出てきて、どこかにブラブラ出かけたくなる。 t_P2210047
卒業と新年度の準備、そして新入生を迎えるという入れ替わりの忙しさが本格化するまでに、できるだけウロウロしたいものだ。

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2006/02/19

大阪・国立国際美術館

kokusaibijytukan招待券があったので、国立国際美術館の「プーシキン美術館展」に行ってきました。
この国立国際美術館は大阪市立科学館に隣接しており、大阪市営地下鉄四ツ橋線「肥後橋駅」から歩いて約10分ほど。私は京阪電車派ですから淀屋橋駅から歩いて20分弱で到着。
2004年11月に開館した美術館で、設計は「シーザー・ペリ&アソシエーツ・ジャパン」。その総括主任技術者だったのが私の先輩にあたる高原氏。住宅規模の設計、施工しか知らない私からすれば、スゴイ仕事だなぁと驚くばかりです。
この美術館はエントランスのみ地上にあり、美術館本体は全て地下にあるというユニークな設計。2004年度第5回都市環境デザインセミナー記録に、先輩がシーザーペリ&アソシエーツジャパンの設計思想を語っておられます。

中ノ島は中央公会堂や中ノ島図書館など、文化スポットとしても、建築的にも興味ある場所。またたっぷり時間をとって歩いてみたいエリアです。

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2006/02/18

CADトレース技能審査 17年度後期試験終了

平成17年度、後期のCADトレース技能審査が終了した。CAD関連の検定試験のうち、『厚生労働省認定』というお墨付きの付いた唯一の公的資格だ。
初級、中級、上級の区分があり、また建築部門と機械部門とに分かれている。初級からでもしっかり実技試験と学科試験がある。私個人としては、知識だけを問う検定よりも実技を伴うこの試験はお勧めできると思っている。しかしCADトレース技能審査を含め、CAD関連の検定試験は検定料が高いので、学生には勧めにくいのが辛いところだ。また、建築専門学校では、CAD教育は十分に行われていることは企業にとっても周知のこと。だからCAD関連の資格取得が、就職に強力な武器になるわけでもない。
だが、学生にとっては資格試験の合格が自信になるし、技術習得の1つの目標にもなるので、受験する学生にはバックアップをしている。実技試験対策で過去問を使っての練習、CAD作図のコツや検定試験合格のコツ、学科試験での難解なCAD用語、IT用語についてなどの解説など・・・
特にこのCADトレース技能審査は、対策本もほとんど出版されておらず勉強がしづらいため、試験が近づくと教員室へ学生がやってきて、コンピュータ関係の講義を担当している教員は質問責めにあっている。

今回も学科試験では、JISの製図通則に規定される建築製図のルールや建築製図記号、CAD用語や建築一般構造、OSやネットワークまで、幅広い問題が出題されていた。
実技試験は限られた時間内で作図しなければならないため、いかに効率よく、どんな順序で描いていくか、最初に方針をしっかりと見極めることが重要だ。さらに中級の試験では柱や壁厚なども自分で決める必要があり、単に写図だけでは済まない。きちんと建築の基礎を押さえていないといけないのだ。

結果は1、2ヶ月後だが、受験した多くの学生が合格することを祈っています。

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2006/02/15

第15回 大阪府公共建築設計コンクール

Ⅰ部建築学科1年生の作品が、優秀作品賞として入選した!3月23日の表彰式には、指導教員のN先生も一緒に参加される予定。
最優秀作品は残念ながらS専門学校にとられてしまったようだ。
しかし、多くの2年生を押しのけ、建築を学び始めて1年にも満たない1年生の作品が優秀賞に選ばれたことはスゴイことだと思う!彼女が2年生になった次回、最優秀を狙って欲しい。

この『あすなろ夢建築 大阪府公共建築設計コンクール』は、交番や公園内の休憩所などの小規模な公共建築物を題材とし、府内の工業高等学校等の建築関連の学科に在籍する高校生・短大生・専修学校生等を対象に毎年実施されている。このコンクールのいいところは、最優秀に選ばれた作品の基本アイデアを反映させた実物の建築が創られる、というところ。実際に建てられると思えば、学生たちも奮起するからだ。

こういった設計コンペは、いろんな団体や出版社、建材メーカーなどが主催となり、1年を通していくつも実施されている。
例えば、ギャラリー・間(TOTO)のホームページ『C&C コンペ情報』には、国内外で募集する建築・デザインのコンペ情報が掲載されている。

課題に忙しい専門学生生活だが、できるだけコンペにも参加し、力試しをしてみてはどうだろう?

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2006/02/14

専門学校、春休み

いよいよ試験が終了し、建築専門学生たちは春休み突入です。
この春休みにヨーロッパやアメリカへ建築見学ツアーに行く学生がいる。
年によって多少コースの違いはあるが、校友会や学科で希望者を募っていく海外研修旅行だ。今年は4つのコースで実施される。

1つは、イタリアのローマから山岳都市を巡りつつフィレンツェ、そしてパリへ。
2つめは、フランスの町や村、木組みの家を見に行くコース。
3つめは、ニューヨークからダラス、ロサンゼルスとアメリカ横断ルート。
4つめは、ルイスバラガンの建築を見る、メキシコへ。

卒業旅行として、友達同士で行く者もいれば、
昨年の海外旅行で感動し、今年もまた行くぞ!という学生もいる。
校友会主催のコースには卒業生も参加したり、その友達がいたり・・・

日本と違った町並み、重厚な建築、身体が震えるような空間体験もするでしょう。
海外の建築に思いをはせ、たっぷり感動してきて下さい。

引率の先生はたいへんですが、ヨロシクね。
私はといえば、只今試験の採点に追われております・・・。

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2006/02/09

興味や観察力、大切ですね

今日はまた私の担当科目、建築計画演習の試験。
3年制の学科である建築総合学科の3年次の科目。内容は建築士の試験対策のようなもの。
1年生で建築計画の講義は履修しているので、この3年次の講義では、建築計画の基本的なポイントを簡単に復習、解説し、過去の建築士で出題された問題を考察してみるという内容。卒業までに建築士の試験対策してしまおうってことです。

「建築計画」では、建物を設計・計画する際に必要な基礎知識を学ぶのだが、これがまたバラエティな内容で広範囲に広がっている。
温度、湿度、日照、色彩計画など環境工学的な内容もあれば、住宅はもちろん、事務所ビルや百貨店など商業建築物の設計、美術館や図書館などの公共施設、高齢者対応はどうするか、車椅子使用者に対する配慮はどんなふうにするか、などなど各種建物を設計する際に必要な基本的知識。
さらに、給水・排水設備や電気設備、空気調和設備に防災設備、照明に関する知識も必要になる。

まぁ、建築物の中では人間が生活するわけで、
そのために必要なモノ、コトは一通り知っておかねばいけないわけだ。どんな建築物にするか計画する、つまり設計することっていうのは、インテリアからエクステリアまでかなり広範囲の知識が要求されるということなんですね。

でも逆に言えば、普段から人間が接しているものが建築。
日頃から興味と観察力を持って、よーく周りを気をつけて見ていると、自然に建築計画の知識が身に付くことも多いものです。
なぜだろう?っていう思う気持ち、大切にして下さい。

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2006/02/08

構造力学と法規、できた?

後期試験が始まった。
建築学科1年生、初日の今日は構造力学と建築法規の試験だった。

構造力学は私の担当科目。電卓の持込みOKでの試験。トラスを解いたり梁の設計をしたり、1年間の総まとめ的な内容。難易度は低い目にしたつもりなので、まぁまぁの出来ではないだろうかと思っている。採点してみないとわからないが・・・

建築法規は、建築基準法の法令集の持込みOK。法令集を隅々まで暗記するなんて不可能だし無駄なこと。だから、法令集で調べながら、確認しながら試験に取り組んでもらう。でも持込みOKだからといって問題が解けるとは限らない。6cmほどもある分厚い法令集の、どのあたりに目指す法令が書かれているか、それを知っていないととうてい時間内に問題をやり遂げることは出来ない。それに法規集の内容って、何故か表現が難解。
やはり試験までにどれだけ問題をこなし、法令集と格闘したか、それが重要になる。

ちなみに、建築士の学科試験について言えば、法規の試験では法令集の持込み可能です。構造の試験で電卓使用はダメです。三角比は暗記しておく必要ありますね。

1年生は進級をかけて、2年生は卒業をかけて、今週から来週にかけての試験がんばれよ!

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2006/02/07

どんどん利用して下さい

明日から試験というわけで、
今日は夕方、大工さんの卵を養成する学科である『建築技能学科』の学生2名が私の席にやってきた。
「今、時間かまいませんか?頭悪いから構造力学わからりませーん!教えて下さい!」
おいおい、大工さんって頭悪けりゃできないぞ。木と木がどう接合されるか、どう柱と梁が取り付くかなど、頭で出来上がりをイメージして木をきざんでいかねばならない。材料に無駄が出ないように考えなくちゃいけない。どう仕事を進めていくか段取りをキチンと考えておかねばならない。その他もろもろ・・・
などと学生と話をしながら、構造力学の復習を始める。
図をたくさん書くから、私の席から進路部の大きなテーブルに移動して、彼らの質問を聞くことにした。

普段は技能学科なら1クラス30数名、建築学科でも40名程度を相手に講義をしているが、今日は2名相手に構造力学の勉強だ。いくつか代表的な問題を解きながら、要点をおさえていく。
こうして直接質問に来る学生はかなりお得だ。何故かと言えば、内容が濃くなるし、彼らの不明な点をこちらが理解して十分な解説できる。
構造力学は理数系の苦手な学生には嫌われる科目だが、基本さえわかれば、あとはその応用でしかない、実はシンプルな内容。
1つ1つ、ポイントを攻略していけば必ず解ける。1つ解ければ、喜びを感じるし、自信にもなり、次へのチャレンジにつながっていく。
今日の2名の学生も
「あっ、なんか出来そう。あと家に帰ってもう一度やれば完璧や」
と言って帰っていった。試験頑張って下さい、きっと大丈夫だ。

同じ学費を払っていても、得をする人と損をする人がいる。
その分かれ目は、自分のやる気次第です。

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2006/02/02

建築士試験、今なら・・

私が受け持つ建築学科1年生対象の、構造力学の講義が今年度最終回だった。
来週水曜の試験初日に、この構造力学の試験実施の予定になっている。
先週で試験範囲は全て終了していたので、最終回の今日は、後期試験での出題範囲や、試験勉強のための練習問題を配布、そして建築士試験を例にして1年間の総復習を行った。

普段は、実務的な内容も含め、建築士試験レベルを超えた内容で講義や演習課題を行っている。そのせいか、建築士の試験問題を学生に配布して挑戦してもらうと、
「簡単ですねぇ!」「えぇっ!建築士の問題ってこんなもんですか?」などの反応があったりする。勉強して知識を吸収している学生たちにとっては、建築士試験の問題でも簡単に思えたりするわけだ。
本校の建築学科の構造力学は、1年生では2級建築士程度の内容、2年生では1級建築士レベルの内容になる。建築士の試験は基本的な問題が多いので、理数系の頭でなくても基本を押さえ、繰り返し訓練によって十分対応できる。それに5者択一だし・・・。

建築専門学校の1年生たち、今の記憶を維持できればいいのだが、たいていは、すぐに忘却の彼方に置き忘れられて建築士を受験する頃には、頭は真っ白の状態になっていたりする。だから建築士試験になかなか合格できない。
できるだけその記憶を残しておくために、どうすればよいか?
後期試験に向けて、一生懸命にいくつも問題を解き、勉強して下さい。そうすれば記憶の定着が長く続きます。”適当に単位を取れればいいや”、という勉強は、すぐに忘れてしまうものです。そして、不明な点、合点のいかない箇所は質問に来て下さい。必ず理解してもらえると思いますよ。

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