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2005/10/24

模型が創れれば

授業も終わった夕方、建築学科の1年生の学生2人が質問にきた。彼らが今取り組んでいる課題は、3~4人でグループをつくり1つの心地良い空間を設計しようというもの。

質問に来た学生のクラスには構造系の科目を教えに行ってるためだろう、
「先生、場所はこの川沿いの敷地で、外観はこんなデザインのものを考えているんですが、高さは何mくらいまで可能でしょうか?」と自分たちの描いたスケッチをあれこれ見せながら聞いてくる。幅に対して高さがかなり高いものを考えているようだ。
この学生たちはかなり真面目な学生たちだと思う。工業高校で建築を勉強してきた者も1人混じっている。建築は構造もしっかりしていないと存在し得ないとわかっているのだ。だから自分たちの考えたものが実際に存在できるかどうか不安なのだろう。

社会に出て実務に就くと、さまざまな制約の中で設計を行わなければならない。敷地の大きさや形状、建築費や法律による制約、近隣の人間関係なども関わってくることもあるだろう。それゆえ学生の間にはそんなことは一切気にせず、自分たちの思いや哲学を踏まえて自由に設計して欲しい。それが学生の特権であるとも思う。時には構造、骨組みという制約さえも気にしないで欲しいのだ。

彼らにはこう答えた。
『模型を創ってごらん、模型が創れるものであれば実際にも建築できる。模型も創れないような、または模型がすぐに倒れてしまうようなものは、実際にも建築することは不可能やね。それと高さについての感覚もしっかり身につけておくといいわ。君らは、かなり高いものを考えているようだけど、周囲の建物、高層マンションなんかでもいいけど1階あたり3m~3.5mとして階数を数えればどれくらいの高さの建物か想像できるやろ?50m走の50mは短いように感じるけど、その50mを垂直に、つまり高さ50mというとかなり高いように感じるはずやわ。』
彼らは、模型を創ってみることにしたようだ。そして、学校の周囲の建物を見回して、自分たちの考えていたものが必要以上に巨大なものだと気がついた。

どんな建築も、莫大な建築費を注ぎ込めばたいていのものが出来る。それが学生の考える夢のような建築物であっても、模型で実現できれば施工可能だ。ただ、そんな夢のような建築物のために莫大な建築費用を払う建築主がいないだけなのだ。
まだ1年生の初々しい学生たちには、費用や法律など度外視して、自由なアイデアに挑戦してほしいと思う。

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